Völuspá 5

Sól varp sunnan,
sinni mána,
hendi inni hægri
um himinjöður;
sól þat né vissi,
hvar hon sali átti,
máni þat né vissi,
hvat hann megins átti,
stjörnur þat né vissu
hvar þær staði áttu.

太陽は南から照らす、 月を伴って、
その利き手に 天の稜を掴んで。
太陽は知らず 彼女に館のあることを、
月は知らず 彼に力のあることを、
星は知らず 彼らがどこに住まうべきかを。

全体として、この節は前節の「太陽が南から地上の岩を照らした」と内容が重複しているので、同じ場面を詳しく説明した、ということだろう。

つまり、1.太陽は家に帰らなかった(沈まなかった)、2.月は目立たなかった、3.星が定位置になかった、ということ。私は学者ではないので、あまり俗なことは言いたくないが、これって多分、白夜のことだと思う。そして、白夜の時の太陽の軌道が「天の淵どり」ということだろう。ただ、白夜を見たことは無いが、夜中(?)には北中するだろうし、黄道の中心が北天にあるせいで、一日の半分以上を、「北から南へ」照らすことになる。これは、明らかに一行目の「sunnan/南から」という記述には合わないので、白夜仮説はあまり真面目に考えない方がいいのかもしれない。

この節は10行構成で、後半パートが6行になっている。版によっては、月の行と星の行が入れ替わっている。

前節でも太陽が出てきたが、一貫して女性格である。それに対して月は男性格である。

おそらく、英語には「利き手」という表現がない(あるいは失われている)ので、英訳経由で”hendi inni“を訳すと不自然になる。 「右利き」「左利き」の表現はあるので、体系上、あるいは運用上の不都合は、ほぼないはずだが、このように詩を翻訳する時は困るだろう。ちなみに、多くの英訳では、ソールは「右手」で天を掴んでいる。

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