Völuspá 39

Sá hon þar vaða
þunga strauma
menn meinsvara
ok morðvarga
ok þann er annars glepr
eyrarúnu;
þar saug Niðhöggr
nái framgengna,
sleit vargr vera.
Vituð ér enn – eða hvat?

彼女は見たそこで掻き分けた 重い水流を
傷の服の男たちを そして人食い狼の
そしてもう一つの惑わす人を 耳のルーンで。
そこでニズホググルが吸い 死んだ死体を、
狼が男達を裂いた。 あなたはまだ知る-まだ何か?

彼女は見た:
襤褸を纏い、無法に殺人を犯した者達と、
さらに、耳元で秘密をささやいて惑わせた者が、
ぬかるむ流れにもがくのを。
ニズホググル(Niðhöggr/朔の攻撃)が、死せる体を吸い、
狼が男たちを引き裂いたのを。
次は何が知りたいですか?

巫女(といっても語り手の方ではなく「彼女」の方だが)の地獄巡りについて書かれているように見える。あるいは、刑務所巡りかもしれない。

これが一般論としての地獄の風景なのか、あるいは、バルドル殺害事件に関連があるのかが気になる。実のところ、私は後者だと思っている。「襤褸をまとって無法に殺人を犯した者たち」とは、ホズル一党のことであり、「耳元で秘密をささやいて惑わせた者」とは、ロキのことだろう。そうでないと、詐欺師と殺人鬼が同じ刑を科されているのがしっくりこない。これは、実行犯同様に首謀者の罪が重い、と考えれば自然である。すなわち、eyrarúnとは、まさに「バルドルの殺し方云々」を指している、と私は思う。

無法者は共同体全体としては、厄介な一方で、その無法者を援助して行われた犯罪もあったのではないだろうか?結局、やくざと政治家みたいなもので、追放刑というのは、為政者側は捕まえずに済んで楽なのだが、不正の温床にはなるだろう。10年ほど前に読んだきりだが、グレティルのサガは確か、そんな話だったと思う。

もっと言うと、私は、秘密のルーン云々が後代の挿入だと思っている。つまり、オリジナルはその二行を抜いた型通りの8行だったのではないだろうか?

Sá hon | þar vaða
þunga | strauma
menn meins | vara
ok morð | varga;

þar saug | Nið höggr
nái fram | gengna,
sleit vargr | vera.
Vituð ér enn | eða hvat?

彼女は見た。 | そこでは、足掻いていた
重い
| 水流に。

男たちが 。 | 傷ついた服を着た。
殺人犯で | 被追放者の。

そこでは、吸っていた。 | ニズホググルが。
死体の死んで | しまったのを。

引き裂いた。狼が。 | 男たちを
知るあなたたちはまだ。 | 次は何?

基本的に行の頭と韻を踏んでいる箇所もアクセントになる。

上の註にチラッと書いたが、私にはKonungsbók(王の写本,1270?)版のように単数形にしている方が好ましく感じられる。そして、現代では、現物の写真を直接見ることができるので、少し眺めてみよう。

王の写本の2枚目の右手側(表)(実質的に3ページ目)

流石に、ルーンなら読む気力がないと思っていたのだが、ちゃんとしたアルファベットなので、何とかわかりそうである。

Sa ho þar vaþa þvnga str(av)ma m~ morð vargar
meins vara * . * þaN aNaes glepr eyra rvno þar sug niþ
h(av)Gr nai F(a)m gengna sleit vargr va v.e.e.e.h.

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